週に一度は寄って帰りたくなる!一手間かけた料理が嬉しい「あおい食堂」

十日市町駅から徒歩2分のところに、白いのれんのかかった食堂がありました。店舗の名前は「あおい食堂」。定食や一品料理が評判のお店です。

ぬくもりある店頭の雰囲気に引き込まれます。
口コミでも好評な「あおい食堂」、その理由を探るべく店長の西川泰満さんにお話を伺いました。

創業ストーリー

―創業はいつからですか?

「あおい食堂」は2019年10月にオープンしました。僕は飲食の仕事を長くやっていましたが、自分の店を持つのは「あおい食堂」が初めてです。学校を卒業してから東京の和食のお店で7,8年働き、それから広島に戻って来て、いくつかのお店を経験しました。30歳から料理長も任されていましたが、実はその後、人生で初めてチェーン店に転職します。

当時勤めている店舗の近くに、名古屋の手羽先で有名な「世界の山ちゃん」の店舗があったんですが、立地が悪いのにいつも賑わっていて、とても気になっていました。最終的には経営方針に惚れて、転職をしたんですよ。

そんな中で、ご自身のお店を開こうと思われたきっかけは?

「世界の山ちゃん」の社長が入社7年目の時に急に亡くなられたんです。経営方針に共感し、あの社長の元で働きたいと思って働いていたので、辞めるかどうかも悩みましたが、恩を返すつもりで3年ほど引き続き働いていました。ただ、50歳を手前にして「これからどうしようかな」とふと考える時があって。生活は安定しているけれども、これから体力が落ちていく中で現場で駆けずり回ることを考えた時に「とりあえず、やりたいことをやってみよう」と思うようになり、独立を決めました。

お店を開くのは十日市で決めていたんですか?

最初は横川付近でお店を開こうと思っていました。ただ、不動産巡りの帰りがけに「十日市は最近個人店が増えてきて良い街だよな」と感じて、バイクを止めたところの目の前に今の店があったんです。空き店舗だけども広告が出ていなくて、大家さんに飛び込みで声をかけました。そこからはトントン拍子で話が進んで、出店にこぎつけた感じですね。

後から聞いた話ですが、その大家さんはこれまで「飲食店を開きたい」という申し出を15件近く断っていたらしく、周りの人に「あなたは運がいいね」と言われました。大家さんにも「なんでOKしてくださったんですか?」と聞いてみたんですが、「最初にあなたを見た時にいいと思ったんだよ」と。ありがたいことですが、不思議なご縁を感じました。

スタッフ募集の時も、チェーン店勤務時代の経験から、求人広告を出しても人はなかなか集まらないことは分かっていたので、最初は一人で店を切り盛りする覚悟も決めていたのですが、内装工事の時に「やる気のある子募集!」と店頭に張り紙をしていたら8人も集まってくれました。今も働き続けてくれている人や、辞めた後もお客さんとして来てくれる人もいます。色んなご縁に支えられているお店だなと思います。

お店のこだわり・おすすめメニュー

―おすすめのメニューはありますか?

はじめてのお客様であれば、あおいの刺身4種(1320円)、おばんざい盛り合わせ3種(980円)がおすすめですね。テイクアウトでもよく注文を受けます。日によって種類を少しずつ変えたりなど、お客様に楽しんでいただけるように変化をつけています。惣菜はコンビニやスーパーでも手軽に手に入りますが、同じ手作りなら、より美味しいものを選んでほしい。そう思って工夫しています。

煮たまごうにのせ(760円)も人気ですね。うには原価が高く質の良いものを使用しています。「自分が美味しいと思うものをお客さんに提供したい」という想いが根底にあるので、商売ではありますが原価はあまり考えていませんね。

―どのような点にこだわっていますか?

飲食店は「高くて美味い」は当たり前なんですよね。そういう特別なお店というよりも、地元密着型で月に2,3回でもコンスタントに来たくなるような店づくりをしたいなと思っています。「料理の提供を長時間待たせない」や「居酒屋メニューも有り、たまに凝ったものも有り」など、手抜きをせずお客様の望むことに取り組んでいます。お店の名前も「食堂」と付けたのはそういう思いからです。よく聞かれますが、「あおい」は娘の名前なんですよ。

 

ソロ歓迎情報

―どのような方が、おひとりさまで来られますか?

30代~50代の単身のサラリーマンの方や、女性の方まで幅広く来られますね。日本酒を注文される方が多く、「日本酒に合う料理が多いね」とお客様から言っていただくこともあります。

―ソロで来店される方が居心地が良いように工夫されていることはありますか?

自分自身がおしゃべりが得意ではないということもあるのですが、お店の満足度はやっぱり料理だと思っているので、料理が疎かにならないように、お客様同士をお繋ぎして楽しんでもらったり、スタッフと喋ってもらうことが多いかなと思います。

スタッフの数も、作業だけなら3人のスタッフで回すことができるんですが、ギリギリの人員で1人のお客さんと話し込んでいて別のお客さんをお待たせしてしまう……なんてことのないように、充分にスタッフの人数を確保して目を配っています。

あと、うちはお通しを出さないんです。お客さんの食べたくないものを出しても……と思うので。その代わり、お客さん自身が選んだものをサッと提供できるようスピードメニューを豊富に準備しています。

最後に

―ソロでの来店を検討されている方にメッセージをどうぞ!

飲食店において「最初の3年」が基盤づくりだと思っています。うちはまだ2年弱で、店の形を作っている最中。日々忙しく追われていますが、毎日が己との戦いだと思って頑張っています。

今コロナで多くのことが制限されている中、「食べること」は付加価値となりお客さんもシビアになっていっていますよね。だからこそ、うちの店を選んでいただけるように頑張っていきます。

あおい食堂
〒730-0851 広島県広島市中区榎町1−29 青野ビル 101
082-208-1313
営業時間
本来
現状
定休日 水曜日・第一火曜日

 

みくりや 佐代子

広島県在住のエッセイスト。著書『あの子は「かわいい」をむしゃむしゃ食べる』『働く女の「しないこと」リスト』 あの頃の松浦亜弥が好きです。

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